Agile Guitars Interceptor Pro 827レビューとかFRT付き8弦の感想

8弦でFRT付きとなるとSCHECTERのHELLRAISER C-8 FRか我らがIAシグネイチャーのAppleHorn8ぐらいしかなくて、よくわからんメーカーに78弦は固定で6弦部分だけシンクロトレモロっていうモデルがあるのはあるけど22フレットなのでどうなのって感じだったりHELLRAISERは見た目が派手で好みじゃないしアクティブピックアップの電池交換がめんどくさいのでなし、AppleHorn8はちょうかっこいいけど60万円近くするのでなし、となるともうAgileぐらいしか選択肢がないなと思いました。アメリカのカスタムギターメーカーKieselのvaderというヘッドレスモデルにトレモロオプションがついたという話もあったけど20万円するので…。

Agile Interceptor Pro 827 EB CP FRT Nat Mahog DOT - RondoMusic.com
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というわけでAgile Interceptor Pro 827 EB CP Nat Mahog DOTが家に来ました。ソフトケースで頼んだらハードケースじゃないと国外出荷せんぞみたいなこと言われてめんどくさいことになったのでみなさんはハードケースとあわせて注文しましょう。出荷時のゲージは09 12 15 22 30 40 54 74で74だけ端が細くなってるベース弦みたいなやつ(名前なんていうの)が張ってありました。4,5,6弦がスーパーライトゲージからいっこ下?で配慮されてる感ある。チューニングはF♯ B E A D G B Eの8弦レギュラー。多分普通の太い弦だとサドルに入らなくてちゃんとロックできないから細いやつを使ってるんだと思うんだけど、そういう弦の名前がわからなくて替えの弦買えないでいます。そうそう切れたりとかしないと思うのでしばらく6弦部分だけ交換してようかなとおもいます。

オクターブチューニングが合ってない状態だったので合わせたんですけど、ただでさえめんどくさいFloyd Roseのオクターブチューニングが2本増えたことでさらにめんどくさくなってるなーと思いました。裏のスプリングはまっすぐ3本入ってて他にもう1本付属していました。予備か太い弦張った時用かな。あとしばらく置いといたらネックが順反り方向に動いてて、調整しようと思いロッドカバーを外したところロッドが2本入っているようでどうしたらいいのか悩むなどありました。2本入ってるロッドの調整方法がインターネットにほぼなくて困る。普通に両方同じ角度で回せばいいんだろうけどよくわからんよくわからんわ。

結構雑なところがあって、ノブ周りの掘り下げ?部につや消しクリアー塗料が溜まっていたり、バックパネルのネジ穴位置がずれていたり、バックパネル自体の形が雑だったりこまけぇこたぁいいんだよを感じる。配線はパネル開けて見る限りそこそこいけてるのではと思います。導電塗料も一応塗ってあるしピックアップはオリジナルでなんかいい感じなやつのコピーらしいという情報をどっかで見ました(雑 実際いい感じでいいです。癖がない感じします。これはあんまり関係ない話なんですがバックパネルの一部ネジがネック材のメイプルにねじ込まれていて異常にかたく、ドライバーをペンチで回してやっと外しました。

指板はあきらかに何かを塗ってて指先が黒くなったりしてましたが拭いたらだいたい解決した。オフセットドットが写真で見るよりでかくてかわいい。フレットの端が出てて痛いとかもなくて楽器として重要な部分はちゃんと作ってるなと。手を抜いてもそこまで問題にはならない部分は手を抜いて価格を下げてるのかなとおもいました。メイプルの間に入ってる2本のラインはウォルナットらしいです。メイプルだけだと音が硬くなりすぎるからウォルナット入れてるとかあるらしいですがよくわからない。ネックは数字で見る限りめちゃ太いという感じではなさそうですが太いから厚く感じる的なところはあり、別の楽器感があります。

ちょっと驚いたのがペグがかなりいい感じということ。スムーズに回ります。ペグボタンはヘッド落ち軽減目的かはわかりませんが小さいタイプで、それでも回しにくいとかそういうことは特にありませんでした。でもヘッドは落ちます。

ここまででギター本体の話は終わりにしてプレイの中で気づいたところなどを書きます。

右手のミュートについてですが、7、8弦があることで手のひらでミュートできる範囲をこえていて手首ミュートみたいな状態になるので慣れるまで意図せず鳴ってしまうということがかなりありました。数日経った今でもタッピング時には鳴ってしまうことがあります。
ほかの違和感があるポイントとして上に2本弦が増えたことで、ネックの中心が今までの3と4の間から4と5の間に変わってしまい3弦だと思って4弦を押さえることが頻発して慣れるまで大変というのがありました。
音的な面で困っているのは6弦で弾いていい感じになるセッティングで7,8弦を弾くとブーミーな音しか出てこなくて、ゴリゴリいうようにつまみをいじると今度は上のほうが微妙になってむずかしいことです。がんばって煮詰めます。

27インチスケールと一般的な25.5インチスケールよりテンションが強く、ベンド時指にかかる負荷が明らかに高いです。ピッチが上がりきるまでの距離が短いからといって調子乗って一音半とかぐいぐい上げてると爪先が剥がれてきます。ていうか剥がれました痛い。
全体で1.5インチ長いですが思ってたよりストレッチフレーズがきついという感覚はなくて、たしかにフレット間は広くなっているけれど25.5インチで弾けるフレーズが弾けないみたいなことはほぼなかった。自分は中指8cmあるかないかで大きい方ではないですがColoradoBulldogのあの2-5-7ストレッチもがんばればいけました(≠弾けた)。でもがんばってるのは事実なので明らかに左手への負担が強いですし、徐々にやっていかないと腱鞘炎になりかねないので注意。

アームがめちゃくちゃ重いです。まあ2本分ブリッジにかかるテンションが増えてるので当たり前な話で、でもめっちゃ重い。自分は軽くアーム叩いてビブラートかける的な技を多用するんですが、6弦でやる場合と比べて明らかに幅が狭い。アームダウンと同時に左手でハーモニクスポイントをタップしてハーモニクスを出す時、ネックが太いせいでうまく叩けてないというのもありますが、ダウンが甘くて音量があまり出なかったりもします。腕鍛えていこう……。アームダウンおもいっきりしたらしたで7,8弦がベロベロになってミュートのために押さえつけてますからピックアップと接触してバチッという音が出てしまったり難しい。6弦のときできていた握り込んで親指で低音弦のミュートをするフォームができないのでちゃんとミュートはできてないとダメなのがさらに難しいとこ。
あとこれはFRTの問題かもしれないけど、強くピッキングするとクリケット的な揺れが出てちょっと困る。
弦とボディの間が広くて指が入りやすく、ハイブリッドピッキングや指弾きがやりやすいです。ここは多分好みでだいぶ感じ方が変わると思う。
これはちょっとした工夫なんですが、デフォで弾いてて裏のバネに強いタイプを使っているからかスプリングがめちゃくちゃ鳴ってうるさかったのでティッシュ詰めてミュートしました。快適になった。

8弦はまだチューニングが定まっていないというか、弦を増やしてまで拡張したい人が使う楽器なのでチューニングがいろいろある中、なかなか変更しにくいフローティングのFRT搭載機を使うというのは一般的にはうーんって感じなんでしょうけど、個人的にMattias IA Eklundhを崇拝しててアームないとダメな体にされちゃったので固定ブリッジはなしだった。変えたかったらなんか挟んで固定してしまえばいいし。
Mattiasは8弦をEAEADGBEで使ってて、エンドースしてるDRStringsの一番太いギター用弦がたしか.072なので8弦は多分.072なんだけど(2017/1/22追記、DRの一番太い弦はTITE-FITの国内未発売8弦セットに入ってる.080)、実際同じゲージ同じスケール同じチューニングで触ってみるとめちゃくちゃゆるい。いい感じの弦探しを今後の課題にします。